wakare
2005年 07月 21日
不覚だった
俺は、彼のサインに気付いてやることができなかった
それは昨日ぬーの家に向かう途中の出来事ーーー
いつものように快調に尻手熊川道路を走り続けてきたうずに突然悲劇が訪れる
スピードが急に遅くなり、ライトが弱弱しく消えてゆく
横を走る車の群れにどんどん抜かされてゆき、車の助手席からは不思議そうにこっちを眺める視線が注がれる
もう原付にはこれまでの雄雄しさはなく、しかし、これから迎えるであろう結末を早くも悟っていたかのような落ち着きさえ感じられた
「ガソリンはついこないだ補充したばかりやのに、なんでやろ?こんなん困るわぁ・・格好わるぅ」
俺はまだ事態の深刻さに気付いていなかった
そのとき既に原付は最後の力を出し切って危篤状態に陥っていたことも知らずに・・・
エンジンオイルが空っぽ、つまりオイルの全くない状態で無理に走らせていたため、ピストンやバッテリーなどが焼きついてしまっていたのだ
「エンジンオイルは月に1度は補充しましょう」ってどこかで見た気もするが、忘れていた。
原付は初購入で、それがヤフオクで、ずぶの素人さんから2万で譲り受けた俺に、原付の正しい整備方法など知る由もなかった。買いたての頃はガソリンの給油口が分らなくて焦ったものである。
エンジンオイルが不足している時はガソリンランプと同じ電気が点灯する。
そういえば随分前から電気は点灯していた気がする
そもそもポンコツなこの原付は、以前からスピードメーターが動かない、オイルが常にempty表示、右ブレーキが利かないなど、数々の不祥事を起こしてきた、不機嫌なロボであった。
キリスト教かぶれの俺は、祈りのパワーで原付の自然治癒力に期待し、放ったらかしにしていた。別に、「走れればいいや」と思っていたからである
当然何日も前から点灯し続けているオイルランプに原因を探るはずもなく、「また機嫌が悪くなりよったわ。ほんま人間みたいなやつめ」と、さらりと受け流してきたのである。
そのツケが今日になって重くのしかかってきたのだ。バイク屋に行ってオイル補充してもらったけど、いったんかかったエンジンが途中ですぐ切れてしまうし、そもそもエンジン自体つかない。
当然である。もはや原付は「死んでしまったのだから・・・」
俺にさんざん「オイル入れてや」と助けを求めておきながら無視され続けた挙句の果ての、当然の死である。
「修理に3万はかかるよ」
「え~うぞやん!!高いわ」
「多分他の店だったらもっとかかるんじゃないかな?」
「え~うぞやん!!高いわ」
「・・・で、どうします?」
「俺、これ2万で買ってんで。それ以上払うんとかありえへん」
「・・・あ、そう」
「自転車に乗るわ、安全やし」
「・・・そうですか。(・・・じゃあ始めからバイク乗るなよ)」
バイク屋さん、HONDAさん、保険払ってくれてた親父、そして我が原付よ
ほんま迷惑かけたな。ごめんやで。俺、チャリ人間になるわ。
原付よ。死なせてしまってすまなかった。きちんと葬式(廃車手続き)するからな
名もなき原付の物語はこれでおしまいです。悲しいね
最後にこの作文をよんでくれた皆さんにお願いです。
名もなきままに、ひっそりと命を引き取った原付に戒名を与えてやろうと考え中です。いい名前思いついたら教えてな!!
俺は、彼のサインに気付いてやることができなかった
それは昨日ぬーの家に向かう途中の出来事ーーー
いつものように快調に尻手熊川道路を走り続けてきたうずに突然悲劇が訪れる
スピードが急に遅くなり、ライトが弱弱しく消えてゆく
横を走る車の群れにどんどん抜かされてゆき、車の助手席からは不思議そうにこっちを眺める視線が注がれる
もう原付にはこれまでの雄雄しさはなく、しかし、これから迎えるであろう結末を早くも悟っていたかのような落ち着きさえ感じられた
「ガソリンはついこないだ補充したばかりやのに、なんでやろ?こんなん困るわぁ・・格好わるぅ」
俺はまだ事態の深刻さに気付いていなかった
そのとき既に原付は最後の力を出し切って危篤状態に陥っていたことも知らずに・・・
エンジンオイルが空っぽ、つまりオイルの全くない状態で無理に走らせていたため、ピストンやバッテリーなどが焼きついてしまっていたのだ
「エンジンオイルは月に1度は補充しましょう」ってどこかで見た気もするが、忘れていた。
原付は初購入で、それがヤフオクで、ずぶの素人さんから2万で譲り受けた俺に、原付の正しい整備方法など知る由もなかった。買いたての頃はガソリンの給油口が分らなくて焦ったものである。
エンジンオイルが不足している時はガソリンランプと同じ電気が点灯する。
そういえば随分前から電気は点灯していた気がする
そもそもポンコツなこの原付は、以前からスピードメーターが動かない、オイルが常にempty表示、右ブレーキが利かないなど、数々の不祥事を起こしてきた、不機嫌なロボであった。
キリスト教かぶれの俺は、祈りのパワーで原付の自然治癒力に期待し、放ったらかしにしていた。別に、「走れればいいや」と思っていたからである
当然何日も前から点灯し続けているオイルランプに原因を探るはずもなく、「また機嫌が悪くなりよったわ。ほんま人間みたいなやつめ」と、さらりと受け流してきたのである。
そのツケが今日になって重くのしかかってきたのだ。バイク屋に行ってオイル補充してもらったけど、いったんかかったエンジンが途中ですぐ切れてしまうし、そもそもエンジン自体つかない。
当然である。もはや原付は「死んでしまったのだから・・・」
俺にさんざん「オイル入れてや」と助けを求めておきながら無視され続けた挙句の果ての、当然の死である。
「修理に3万はかかるよ」
「え~うぞやん!!高いわ」
「多分他の店だったらもっとかかるんじゃないかな?」
「え~うぞやん!!高いわ」
「・・・で、どうします?」
「俺、これ2万で買ってんで。それ以上払うんとかありえへん」
「・・・あ、そう」
「自転車に乗るわ、安全やし」
「・・・そうですか。(・・・じゃあ始めからバイク乗るなよ)」
バイク屋さん、HONDAさん、保険払ってくれてた親父、そして我が原付よ
ほんま迷惑かけたな。ごめんやで。俺、チャリ人間になるわ。
原付よ。死なせてしまってすまなかった。きちんと葬式(廃車手続き)するからな
名もなき原付の物語はこれでおしまいです。悲しいね
最後にこの作文をよんでくれた皆さんにお願いです。
名もなきままに、ひっそりと命を引き取った原付に戒名を与えてやろうと考え中です。いい名前思いついたら教えてな!!
by v-est2
| 2005-07-21 15:26
| にきー